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売掛金回収において,知っておきたい法律用語をご紹介します。
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決められた期限まではお金を返す必要がない,返済を請求されないといった,期限が到来していないことで債務者が受ける利益のことを「期限の利益」といいます。
「期限の利益喪失条項」は,債務者がその信用を失うような一定の事実が生じた場合に,期限の利益を喪失し,債務者が直ちに弁済しなくてはならなくなる特約を定めた条項を指します。
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代金が完済されるまで,引渡しの終えた目的物の所有権を売主に留保するという特約を定めた条項を指します。
売買代金の支払いを担保するためのものです。
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消滅時効とは,一定の期間の経過により権利が消滅してしまう制度です。
主な消滅時効は次のとおりです。
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○債権一般 |
10年(民法167条1項) |
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○商品の売掛金債権 |
2年(民法173条1号) |
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○請負代金債権 |
3年(民法170条2号) |
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○利息債権,賃料債権,その他の商事債権 |
5年(商法522条) |
消滅時効の成立を防ぐには,時効の中断手続を取る必要があります。
時効を中断させるには,訴えの提起といった「裁判上の請求」(民法149条)をはじめとする「請求」などの手続を取る必要があります(民法147条)。
請求書の送付や,電話での請求を行った場合でも(裁判外の請求),「催告」として時効は一時的に中断します。
しかし,こうした裁判外の請求の場合,請求してから6ヶ月以内に裁判上の請求などの裁判手続をしないと時効は中断しなかったことになるのです(民法153条)。
また,催告は繰り返すことができない,つまり1回きりしかできないとするのが判例です。
なお,裁判外の請求を行う場合には,「 内容証明郵便」を活用し,いつ請求したかの証拠を残しておくことが重要です。
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相手方に対して同種の債権をもっている場合に,自己の債務と相手方の債務を対当額について消滅させることをいいます(民法505条以下)。
相殺は,当事者どちらかの一方的な意思表示によって行うことができ,その効果は相殺適状の時(相殺することができる状態になった時)に遡って生じます。
相殺する側の債権を自働債権,相殺される側の債権を受働債権といいます。
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債権者と債務者との間で,現在の債務残高を確認する書面をいいます。
債務者が債務の存在を承認したことになるので,時効中断事由(民法147条3号)となります。
債務者が債務の存在を承認したことの証拠として,債務確認書には債務者の署名・捺印をしてもらうようにすることが大切です。
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郵便物特殊扱いのひとつであり,郵便局で郵便物にした文書の内容を謄本として保管し,郵便を送達した事実・内容を郵便局が保証してくれるものです。
売掛金の回収がうまく進まず,時間が経過してしまった後で,相手方が「請求を受けていない」として債権の消滅時効を主張してきた場合,売掛金の支払を請求したことを証明することが困難な場合があります。
後の紛争で,請求をいつしたのかという証拠として,内容証明郵便は重要なのです。
内容証明郵便は,法的手続きの第一歩とも言えますから,相手方に対して心理的な圧迫感を与える効果も期待できます。
また,時効を一時的に中断させることにもなります。
しかし,内容証明郵便は,単独では「いつ相手方に届いたか」までを証明するものではありません。
そのため,「配達証明」の制度を利用して,「配達した年月日」の証明を得るのが通例です。
【内容証明郵便の書き方(概略)】
○ 字数・行数は「26行以内・1行20字以内」
○ 相手方送付用,郵便局保管用,自己管理用の合計3通を作成(内容は同一であること)
○ 利用可能文字は原則として「漢字・仮名・数字」で,括弧等も使えるが各1字として数える
売掛金回収に関する内容証明郵便の内容としては,売買契約の締結日,売買の目的物,支払期日,納品日,現在まで代金の支払いがないことを明示しておきましょう。
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判決を得て強制執行をするまでの間に,債務者の財産が散逸したり減少したりすることを避けるため,あらかじめ債務者の財産を保全しておく法的手続を保全処分といいます。
保全処分には,仮差押と 仮処分があり,このうち仮差押とは,金銭債権を保全するものです。
仮処分の発令には,(1)被保全権利の存在(保全されるべき金銭債権があること),および(2)保全の必要性(仮差押しなければならない必要性があること)が要求されます。
債権者の主張を認める仮処分決定には,仮処分により債務者が損害を被った場合の担保として,債権者に担保提供が命ぜられることが通例です(民事保全法14条)。
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判決を得て強制執行をするまでの間に,債務者の財産が散逸したり減少したりすることを避けるため,あらかじめ債務者の財産を保全しておく法的手続を保全処分といいます。
保全処分には, 仮差押と仮処分があり,このうち仮処分とは,金銭債権以外の権利を保全するものです。
仮処分には,係争物に関する仮処分と仮の地位を定める仮処分があります。
係争物に関する仮処分は,係争物の現状を変更されると,将来の権利行使が妨げられたり,著しく困難になったりする場合に行う仮処分です(民事保全法23条1項)。
仮の地位を定める仮処分は,争いがある権利関係について,債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避ける為に行う仮処分です(民事保全法23条2項)。
仮処分の発令には,(1)被保全権利の存在(保全されるべき金銭債権以外の権利があること),および,(2)保全の必要性(仮差押しなければならない必要性があること)が要求されます。
債権者の主張を認める仮処分決定には,仮処分により債務者が損害を被った場合の担保として,債権者に担保提供が命ぜられることが通例です(民事保全法14条)。
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公正証書は,法律の専門家である公証人が,法律の定めに従って作成する証明力が高い公文書です。
公正証書は,当事者双方またはその代理人が,契約書などの必要書類と印鑑証明書および実印を持参して公証人役場に行き,文書の内容を公証人に伝えて作成してもらいます。
公正証書作成の手数料は,法律行為の目的の価額(債権額など)に応じて定められています。
公正証書の作成において注意しなければならないのは,債権が金銭債権に限られる点です。
金銭債権以外の権利については,即決和解などの手続を取らなくてはなりません。
【強制執行認諾約款付公正証書】
強制執行認諾約款付公正証書とは,例えば債務者が金銭債務の支払を怠った場合などに,強制執行をされても異議を申し立てないという条項を含んでいる公正証書のことを指します。
具体的には,「乙は,本債務を履行しない場合,直ちに強制執行を受けても異議がないことを承諾するものとする。」などと記載します。
この条項により,契約違反などがあった場合,裁判手続を経ることなく,直ちに強制執行を行うことが可能となります。
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留置権とは,他人の物の占有者が,その物に関して生じた債権を有している場合に,その債権の弁済を受けるまでその物を留置することができる法定担保物権のことです。
留置権は,物を留置することによって債務者に弁済を促すもので,物の保存に必要な使用を除き,使用収益する権利も,その物を換価して他の債権者に先立って優先的に弁済を受ける権利もありません。
そして,商事留置権とは,会社対会社の取引のような商人間の取引に適用される特別の留置権です。
商事留置権の場合,占有目的物と被担保債権の間に牽連性は不要とされています。
つまり,占有目的物は,その債務者との間におけるなんらかの商行為によって占有に至った目的物であれば足ります。
例えば,債務者の所有物が,全く別の取引によってたまたま手元にあった場合,これを担保として留置権を主張することができるのです。
また, 商事留置権は,破産・民事再生などの各倒産手続において,優先弁済権が認められています。
例えば,債務者が破産宣告を受けても,商事留置権はその効力を失わず,破産管財人を相手に「動産競売申立」を行い,
破産法で認められた優先弁済権としての効力の範囲内で債権を回収することができます。
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即決和解とは,訴え提起前の和解とも呼ばれ,簡易裁判所に当事者が和解の申立てをし,裁判所が,和解内容を和解調書に記載する手続のことです。
和解調書により,強制執行が可能となります。
【手続の流れ】
相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に即決和解申立書を提出
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裁判所から当事者双方に呼出状を送付
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呼出期日に当事者双方が出頭し,裁判官が,申立書記載通りの和解内容で合意したかを確認
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和解調書作成 当事者に交付
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民事調停とは,当事者双方の話し合いに基づく合意によって紛争解決を図ることを目的とする裁判外紛争解決手続(ADR)のひとつです。
裁判官と調停委員2人以上からなる調停委員会が当事者の言い分を聴き,歩み寄りを促し,当事者の合意によって実情に即した解決を図ります。
訴訟ほど手続が厳格ではなく,当事者は法律的な制約にとらわれず自由に言い分を述べることができるという利点があります。
【手続の流れ】
相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に調停申立書を提出
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裁判所による調停委員会の発足
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調停委員会から当事者双方に呼出状を送付
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呼出期日に当事者双方が出頭し,調停委員会の立会いの下,当事者が言い分を出し,調停委員会が解決案を示す
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当事者間に合意が成立すれば調停調書作成 当事者に交付
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支払督促とは,金銭その他の代替物の一定数量の給付請求権に関する債権者の主張を債務者が争わないことを根拠に,その実質的審理を経ず,
債務者に金銭の支払等をするよう督促する旨の裁判所書記官の処分をいいます。
相手方が2週間以内に異議を述べないときは,更に債権者は仮執行宣言を付すよう申立てをすることができます。
【手続の流れ】
債務者の住所地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に支払督促申立書を提出
債務者が財産隠匿をするおそれがある場合はあわせて仮差押手続も行う
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申立が適法な場合,裁判所書記官は債務者に対して支払督促を発付
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2週間以内に債務者の異議の申立がないか,あっても裁判所が却下した場合,債権者は仮執行宣言を付すよう申立て
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裁判所書記官による仮執行宣言付支払督促の発付
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仮執行宣言付支払督促送達日より2週間以内に債務者の異議の申立がないか,あっても裁判所が却下した場合,支払督促確定
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先取特権とは,一定の類型に属する債権を有する者に付与される,債務者の財産について優先的に弁済を受けることができる権利をいい(民法303条), 法定担保物権の一種です。
動産売買の先取特権とは,動産の売買をしたときに,その売買動産から優先的に弁済を受けることができる権利です(民法321条)。
商品が債務者(動産の買主)のもとに存在する場合,裁判所に競売を申立て,競売代金から優先的に売掛金の弁済を受けることができます。
動産を競売するには,債務者が,執行官に動産を提出するか,執行官に差押えを承諾する文書を提出することが必要となります。
【債務者が当該動産を第三者に売却しその売買代金を受領済みの場合】
動産売買の先取特権は動産が第三者に引き渡された後は行使できず,動産そのものからの売掛金の回収ができなくなります。
また,売買代金も既に買主の他の財産と混ざってしまっているので先取特権行使の対象とはなりません。
よって,この場合,動産売買の先取特権は行使できなくなります。
【債務者が当該動産を第三者に売却したがその売買代金をまだ受領していない場合】
動産そのものからの売掛金の回収はできませんが,動産売買の先取特権に基づき,債務者が第三者に対して有している売買代金債権を差し押さえ,優先弁済を受けることができます。
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民事訴訟とは,私人間における権利義務に関する争いにつき,私法を適用して解決するための訴訟手続です。
具体的には,裁判官が,法廷で,当事者双方の言い分を聴いたり,証拠を調べたりして,最終的には判決によって紛争の解決を図ります。
紛争の対象が金額にして140万円を超える場合は地方裁判所に,140万円に満たない場合は簡易裁判所に訴えを提起します。
詳しくは こちらをご覧ください。
【民事訴訟の種類】
○ 通常訴訟
個人間の法的な紛争,主として財産権に関する紛争の解決を求める訴訟
○ 手形小切手訴訟
民事訴訟法の特別の規定によって審理される手形・小切手金の支払を求める訴訟
判決を早期に言い渡すことができるようにするため,証拠は書証と当事者尋問に限られる
第一審の通常訴訟の手続による再審理を要求する機会が保障されている
手形・小切手の支払を求める場合,手形小切手訴訟とするか通常訴訟とするかを選択できる
○ 少額訴訟
簡易迅速な手続により60万円以下の金銭の支払を求める訴訟
○ その他
離婚や認知の訴えなどの家族関係についての紛争に関する訴訟である「人事訴訟」
公権力の行使に当たる行政庁の行為の取消しを求める訴訟などの「行政訴訟」
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少額訴訟とは,1回の期日で審理を終え,判決をすることを原則とする,特別な訴訟手続です。
60万円以下の金銭の支払を求める場合に限り,利用することができ,簡易裁判所に対して訴えを提起します。
即時解決を目指し,証拠書類や証人は審理の日にその場ですぐに調べることができるものに限られます。
法廷では,裁判官と共にラウンドテーブルに着席する形式で審理が進められるのが原則です。
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