消費者契約法 解説

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消費者契約法 解説

 投資事業有限責任組合契約に関する法律

 「中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律の一部を改正する法律」が平成16年4月30日付で施行されました。これにより,中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律はその一部が改正され,名称も「投資事業有限責任組合契約に関する法律」に改められました。


 本改正は,企業規模や公開の有無を問わず幅広い企業がファンドからの出資を希望しており,また短期のつなぎ融資や債権取得など出資以外の形態での資金供給需要も大きいという実務のニーズに対応したもので,ファンドから見れば,事業範囲を拡大する内容となっています。

本改正の主な内容は,1:投資対象の追加,2:投資手法の拡充及び3:投資家保護のための制限の3点です。

1 投資対象の追加

 本法律は,もともとベンチャー振興の観点から,中小ベンチャー企業への投資促進を目的としていたため,ファンドの投資対象は,中小の未公開企業に限定されていました(なお,平成14年には有限会社や匿名組合が,平成15年には,産業活力再生特別措置法の改正により,同法に基づく認定事業再構築事業者等が追加されています。)。

本改正により,広く「事業者」が投資対象とされ(2条1項),企業の規模や公開・非公開を問わず,ファンドからの投資が可能になりました。


2 投資方法の拡充

(1)出資以外の方法による資金供給

これまでは,原則として株式取得など出資の形態による資金供給に限られていましたが,本改正により,ファンドが,1:指定有価証券(社債,CP等)の取得及び保有や2:金銭債権の取得及び保有並びに新たな金銭の貸付けが行えるようになりました(3条1項3号,4号及び5号)。

例えば,ファンドが,デット・エクイティ・スワップ(DES)を行う前提として,債権者から債権や社債を買い取ることができるようになり,また,ベンチャー企業へ短期のつなぎ融資を行ったり,事業再生中の企業に対する融資ができるようになっています。

(2)ファンド・トゥ・ファンドの拡大

本改正前においては,ファンドが他のファンドに出資する,いわゆるファンド・トゥ・ファンドは,付随的な業務と位置づけられ,出資総額の50%の範囲内で行えるに過ぎませんでしたが,本改正により,ファンドの本来的な業務に改められ,原則として,ファンドの資金の100%を出資できるようになっています。

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3 投資家保護のための制限

前述のように,本改正により,ファンドの事業範囲が拡大され,公開会社の株式に投資するファンドの設立も可能になっています。

反面,一般投資家がファンドの出資者になる可能性も高くなったため,本改正では,同時に,一般の投資家を保護するための制限も設けられています。

1: 特定組合の有限責任組合員となれる者の資格制限(6条の2)

公開株式や金銭債権に投資するファンド(特定組合)に投資ができる者の資格を,証券取引法2条3項1号に規定する適格機関投資家(証券会社や銀行など)等に制限しています。

2: 組合員の人数制限(3条4項)

   ファンドの人数制限については,原則として本改正前と同様に100人以下としていますが,本改正は,この人数制限に加え,特定組合について,適格機関投資家以外の組合員の数が49人を超えてはならないとしています。

3: 特定指定有価証券及び特定金銭債権の取得及び保有に関する制限(3条1項)3号及び4号)

出資先以外の事業者が発行する指定有価証券(特定指定有価証券)と出資先以外の事業者に対する金銭債権(特定金銭債権)については,保有期間を6ヶ月に制限するとともに,その保有期間を超えた場合には,無限責任組合員が当該有価証券又は金銭債権を買い取る旨を,予め約することが取得及び保有の条件とされています。

4: 匿名組合契約の出資の持分及び信託受益権の取得及び保有に関する制限(3条1項7号)

匿名組合契約の出資の持分の取得等は,従前どおり特定中小企業等(本改正前における「中小企業等」と同義)に関するものに限定されています。

5: ファンド・トゥ・ファンドに関する制限

前述のように,「出資総額の50%の範囲内」という制限はなくなりましたが,?)一つのファンドに対する出資の総組合員の出資総額に対する割合が50%を超える出資,?)出資先のファンドの業務執行組合員が投資事業有限責任組合の業務執行組合員になるなど投資事業有限責任組合の業務の執行を実質的に支配することができる関係にあるファンド等への出資については,制限されています。

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4 本改正前に組成されたファンドの取扱い

 本改正前に組成されたファンドについては,何らの手続を要することなく,当然に改正後の本法律が適用されます。

そのため,ファンドを組成し直したり,新たに登記の手続きをとる必要はなく,本改正前に組成されたファンドが,本改正により拡大された事業(公開株式の取得等)を行う場合にも,組合契約につき必要な変更をすれば足ります。


5 証券取引法等の改正

 なお,平成16年6月2日,「証券取引法等の一部を改正する法律」が成立しています。

これにより,平成16年12月1日から,投資事業有限責任組合の出資持分が有価証券とみなされ,証券取引法の規定が適用されることになり,一般投資家の保護は証券取引法で図られることになります。それに伴い,前記3に記載した制限のすべてが撤廃されることになっています。

前記の制限が撤廃されることからファンドの事業範囲はさらに拡大するのですが,他方で,1:ファンドが公募を行う場合は有価証券届出書等を提出するとともに,有価証券報告書による継続開示が必要になる,2:不公正な取引が禁止され,違反者には罰則が科せられる,3:ファンドの持分の売買等を行う場合には証券業の登録が必要になる等の,証券取引法上の規制が加えられることになります。


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