新株予約権(ストック・オプション)
ストックオプションの概要、その課税関係及び税制適格ストックオプションとは何かについて解説します。
ストックオプションの概要
- 新株予約権とは?
- 新株予約権の活用方法
- 新株予約権の価額
- ストックオプションとは?
- ベンチャー企業におけるストックオプションの活用方法
- ストックオプション活用時の注意点1
- ストックオプション活用時の注意点2
新株予約権とは?
新株予約権とは、その権利を株式会社に行使することによって、その株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいいます。
新株予約権は、それが行使されることによって将来株式が発行されるため、顕在化していない株式という趣旨で「潜在株」と呼ばれることもあります。
新株予約権の活用方法
新株予約権は、取締役や従業員に対するインセンティブ報酬、取引先や業務提携先に対する現金の代替物、担保の目的物、敵対的企業買収の防衛策、或いは、資金調達によって創業者の会社に対する支配比率が低下した場合に備えて、予め創業者に対して潜在株としてのストックオプションを付与し、会社に対する株主間の支配比率を是正するために用いることもあります。
新株予約権の価額
新株予約権は有償で交付されることも、無償で交付される場合もあります。
また、新株予約権の権利行使をするときに、予め定められた権利行使価額を払い込むことになります。
この権利行使に際して行われる出資は、金銭だけでなく、金銭以外の財産と定めて発行することもできます。
新株予約権の行使によって取得する株式の原価は、新株予約権の付与価格と権利行使価格との合計ですから、株価がこれを上回っていれば、新株予約権を行使して取得した株式を売却することによってキャピタルゲインを得ることができます。
ストックオプションとは?
ストックオプションという言葉は、しばしば新株予約権のうち、株式会社がその役員や従業員に対するインセンティブとして付与される自社株式を購入する権利として使われます。
あるベンチャー企業が特定の役員や従業員らに対して、付与決議の日の数年後から一定の期間、一株あたり5万円で普通株を取得することができるストックオプションを無償で与えたとします。この役員や従業員達が会社を成長させようとして身を粉にして働き、会社は順調に成長することができ、数年後に株式公開をすることができました。公開時の株価は、一株あたり50万円です。この場合、普通株式100株分のストックオプションを付与されていた従業員がその権利を行使し、同時に株式を売却したとすると、4500万円のキャピタルゲインを得ることができます。
このように、自分の会社を成長させればそのまま自分自身の利益に直結するため、会社業績の向上に貢献しようというインセンティブとして利用できるのです。ストックオプションは、社内の取締役や従業員だけでなく、社外の者、たとえば子会社の役員・従業員、外部の経営コンサルタント、弁護士、取引先などにも同様の目的で付与することもできます。
ベンチャー企業におけるストックオプションの活用方法
ストックオプションを付与された者が手にするキャピタルゲインは、結局のところ株式の売却によって株式市場からもたらされます。発行会社は、ストックオプションの権利行使に伴って出資を受け入れるだけで、インセンティブ報酬と言っても、会社からキャッシュなどの資産が社外へ流出することはありません。
したがって、キャッシュは潤沢ではないが、将来性の見込めるベンチャー企業が、金銭による報酬支払に代えて、有能な人材を採用したり、専門家に協力を求めたりする手段として利用するのに適しています。
ストックオプション活用時の注意点1
インセンティブ報酬としてのストックオプションは、発行会社が将来株式を上場することが前提となっています。したがって、ストックオプションの発行それ自体が株式公開にとって障害になるのでは本末転倒です。
ストックオプションが行使されて顕在化すれば、既存の株式はその分だけ希薄化しますから、株価低下の要因になります。このため、ストックオプションは、一般的に、上場時までに発行を予定する株式数の10%以内に抑えるべきだとされています。
ストックオプション活用時の注意点2
次に、ストックオプションを、誰にどれだけ付与するかも重要なポイントです。
ストックオプションを、インセンティブを向上させるための道具として使おうとする場合、成果型報酬の決定と同じように、付与の対象者や数が、役員や従業員の側から見てある程度納得のいくものでなければなりません。ストックオプションが公平に付与されていない場合には、対象から洩れたり、少ししか付与されなかったりした役員や従業員のモチベーションがかえって低下することがあります。
さらに、ストックオプションの付与契約には、権利行使前に会社を退社した者はその権利を失うことなど、会社の成長に寄与していない者は権利を行使できないようにしておくことも大切です。そうしないと、会社に残って頑張っている人たちのおかげで、会社を見限った人が利益を得ることになってしまい、結局残った人たちのモチベーションが下がってしまうからです。