弁護士法人 古田&アソシエイツ法律事務所
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特許・著作権Q&A 見出し


■ 職務発明 【その1】 従業員が行った「発明」について

6 退職後に完成した職務発明
退職後にした発明が過去の職務に属する場合(発明が完成する一定期間前に退職したとき)は,「使用者等の業務範囲内」とは言えないため,特許法35条の適用はありません。
退職者が,在職中の研究の成果を利用して特許権を取得するような場合については,予め在職中に,完成した発明の使用者への承継や通常実施権を設定する旨の契約(いわゆる追跡条項)を締結しておく必要があります。
ただし,退職者が在職中に得た情報を利用して発明を行うこと自体,本来は秘密保持義務を課すべきことである点は言うまでもありません。

7 発明者が取締役の場合
特許法35条では,「従業員等」に「法人の役員」も含まれます。
もっとも,発明者が取締役の場合であり,かつ,職務発明の事前の承継を,勤務規則ではなく契約により定める場合には,会社と取締役の自己取引規制(会社法356条1項2号)に関する取締役会の承認を受ける必要があります。

8 新入社員の取扱いについて
協議の相手方となっていなかった新入社員に,対価支払いの基準を適用する場合には,「協議」が行われていないことになります。
したがって,当該新入社員は,当該基準が適用されることを承認して入社したといえるように,入社前に基準の提示を行なうことが望ましいといえます。

9 外国に出願した特許の相当の対価請求
最高裁判所平成18年10月17日判決
「外国の特許を受ける権利の譲渡に伴って譲渡人が譲受人に対しその対価を請求できるかどうか,その対価の額はいくらであるかなどの特許を受ける権利の譲渡の対価に関する問題は,譲渡の当事者がどのような債権債務を有するのかという問題にほかならず,譲渡当事者間における譲渡の原因行為である契約その他の債権的法律行為の効力の問題であると解されるから, その準拠法は,法例7条1項の規定により,第1次的には,当事者の意思に従って定められると解するのが相当である。」
「本件譲渡契約は,日本法人である上告人と,わが国に在住して,上告人の従業員として勤務していた日本人である被上告人とが,被上告人がした職務発明について, 我が国で締結したものであり,上告人と被上告人との間には,本件譲渡契約の成立及び効力の準拠法を我が国の法律とする旨の黙示の合意が存在すると認められる。」




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